都市基盤整備事業推進大会

平成28年度 都市基盤整備事業推進大会

大会決議

全国連続立体交差事業促進協議会代表

福岡県大野城市長 井本 宗司

ただいまご紹介いただきました、福岡県大野城市長の井本宗司でございます。本日は、連続立体交差事業の代表として、大会決議文を朗読する機会をいただきましたことに、感謝申し上げます。
はじめに、本市の概要とまちづくりについて紹介させていただきます。本市は、九州最大都市である福岡市の南側に隣接しており、福岡都市圏を形成する自治体のひとつとして発展してまいりました。市域には、九州自動車道のインターチェンジ、都市高速、国道3号線等の主要な道路が走り、福岡空港にも近く、JR鹿児島本線、及び私鉄の西鉄電車の駅が合わせて4駅あるなど、非常に交通の便に恵まれております。そのような背景の中、昭和47年に人口3万6千757人で大野城市が誕生しました。その後も人口は着実に増加を続けており、本年8月18日には10万人に達しました。

本市では、市制施行以前から長年に渡って市民によるコミュニティ活動を中心に据えてきました。現在は市民と行政のパートナーシップという「新しいコミュニティのかたち」を推し進めておりますが、こういった取り組みが、住みよい魅力的なまちとして皆さんに認めていただいている現われであると感じております。

さて、本市の名称は、西暦665年に当時の倭国の防衛のために造られた日本最古の朝鮮式山城であり、国指定特別遺跡の「大野城」に由来します。また、市域には大野城と同じく防衛施設として同時期に造られた「水城跡」や、6世紀から9世紀中頃にかけて営まれた須恵器の窯跡群があります。この牛頸須恵器窯跡群は西日本最大規模と言われております。

これらの歴史遺産を活用し、まちのにぎわいをつくりながら次世代へつないでいくため、「大野城心のふるさと館」の建設や、歴史や自然等の貴重な遺産を散策する仕掛けとしての「大野城トレイル」整備などの諸事業を展開しているところです。

そのような中で、本市の中心市街地を通過する鉄道の連続立体交差事業が福岡県により進められております。本市は、この連立事業にあわせ区画整理事業、街路事業等を実施し、都市基盤の整備を進めておりますが、更に連立事業によって中心地に生まれる高架下空間を活用し、各施設やゆとりのあるスペース、遊歩道等を整備し、にぎわいと回遊性を高め、元気と夢のあるまちづくりを目指しております。昨年度には2ヵ年をかけて将来の高架下利用の理想像を示した基本計画案を策定しました。

本市で実施されています連続立体交差事業は、踏切による交通渋滞、及び市街地分断の解消のみならず、これを契機とした魅力あるまちづくりに欠くことのできない大変重要な事業であります。この連立事業推進のためには、安定した財源の確保が必要不可欠です。我々は必要な額の確保を、しっかりと国へ要望していかなければなりません。

それでは、大会決議文の朗読に移らせていただきます。

都市基盤施設の整備促進に関する決議案

都市基盤施設は、都市における円滑な交通を確保し、豊かで良好な市街地の形成を図るとともに、安全で快適な都市生活と機能的な都市活動を支える、最も重要な施設である。
人口減少や高齢化が進むなか、魅力あふれる地方を創生し、経済の好循環の波を全国に広げていくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの実現を図る都市基盤施設の更なる整備を促進し、長期にわたりストック効果を発揮していくことが不可欠である。
また、切迫する巨大地震や全国各地で頻発する様々な自然災害に対応するため、都市基盤施設の整備による高度な防災都市づくりを一層推進し、強靭な国土を築く必要がある。
一億総活躍社会を実現するためには、暮らしを支え力強い経済を実現する都市基盤施設が必要であり、国民からも整備に対する強い期待が寄せられている。そのため、既存のインフラストックを有効活用するとともに、事業費の縮減に努めつつ、真に必要な事業を推進しているところである。しかしながら、平成二十八年度当初予算は、必要な額が確保されず、事業の進捗に支障を来すばかりでなく民間投資力の減退などの悪影響も生じている。このような中、十月十一日に第二次補正予算が成立し、一定の事業進捗が図られるようになったことは、感謝の念に堪えないところではあるが、平成二十九年度の予算編成において、都市基盤施設の整備に必要な予算の確保は不透明な状況にある。
今後の都市基盤施設の整備にあたっては、街路事業、連続立体交差事業や市街地整備事業の推進がより一層強力に図られるよう、次の事項について特段の配慮を強く要望する。

一、平成二十九年度予算については、民間投資を誘発するなど、都市再生や地域経済の活性化の核として、将来にわたり生産性向上を導くストック効果が発揮される都市基盤整備が確実に実施されるよう必要な額を確保すること。

一、都市における喫緊の課題である交通渋滞解消を推進し、日本経済の高コスト構造の是正や環境改善を図るとともに、災害時の広域的な救援・支援活動等を支えるため、幹線道路ネットワークの整備をはじめとする街路事業や連続立体交差事業を積極的に推進すること。

一、コンパクトなまちづくり、災害に強いまちづくり、国際拠点の形成及び良好な生活環境を実現するため、高い整備効果が期待される土地区画整理事業及び市街地再開発事業をより一層促進すること

一、特に、組合施行等による市街地整備事業については、事業の進捗に支障を来すことのないように必要な額を確実に確保すること。

一、民間事業者との協定等により実施している連続立体交差事業の計画的かつ円滑な実施に支障をきたすことのないよう、事業費を継続的に確保するための、より良い予算制度の検討を行うこと。

右、決議する。

平成二十八年十一月十日都市基盤整備事業推進大会

井本 宗司 大野城市長による大会決議の朗読

ページの先頭へ