都市基盤整備事業推進大会

平成25年度 都市基盤整備事業推進大会

意見発表

全国土地区画整理事業推進協議会代表

長野県飯山市長 足立 正則

皆さん、こんにちは。ただ今、ご紹介をいただきました長野県飯山市長の足立正則と申します。本日は都市基盤整備事業推進大会におきまして、区画整備事業の代表ということで、このような意見発表の機会をいただきましたことを深く感謝を申し上げる次第でございます。
飯山市は、小さな市です。また区画整備の規模も約7.7ヘクタールと、それほど大きい規模ではありませんが、飯山市の取り組みについて発表させていただきます。
始めに飯山市は、長野県の最北部に位置し、特別豪雪地帯に属する全国でも有数の積雪地帯で人口が約2万3千人余、市の面積は202平方キロメートルです。雪が降るがゆえに春夏秋冬の四季がはっきりしており、非常に自然に恵まれた豊かな地域です。長野市からは約30キロメートル北部に位置しており、JR飯山線の飯山駅まで約1時間弱の位置にあり、今まで奥信濃と言われてきた地域です。
現在、長野駅まで北陸新幹線が来ており、平成27年の春には、金沢まで延伸をします。長野駅の次が飯山駅になり、長年の誘致活動が実を結び開業すると首都圏からは約2時間となります。
また、北陸方面は、列車では遠いエリアで、金沢まで約4時間かかりましたが、今後は1時間で結ばれ、富山までは40分となり、大阪から金沢まで1時間半という特急があるので関西方面からも非常に近いエリアになります。
将来、大阪まで新幹線ができると、本州の真中で東海道新幹線とリンクし、大きなネットワークができることから、このチャンスを活かして地域の産業、観光の発展が大変期待されます。
新幹線の飯山駅ですが、この周りの市町村は志賀高原で有名な山ノ内町をはじめ、野沢温泉村、西側は新潟県の妙高山、野尻湖がある信濃町、リンゴの有名な飯綱町、ブドウが有名な中野市、北部には栄村があり、非常に自然に恵まれているほか、斑尾高原、戸狩スキー場など観光資源にも恵まれたエリアで上信越国立公園に囲まれた中に、飯山駅ができるというようなポジションになっています。
飯山市を含め9つの市町村が、飯山駅を中心にして約半径20キロのエリアに入りますが、春夏秋冬と大変素晴らしい自然の資源、農産物のほか、皆さんご存知の唱歌“ふるさと”“おぼろ月夜”“もみじ”などの歌を作った高野達之先生の生家が、今は中野市ですが、旧豊田村にあり、まさに日本のふるさとというべきエリアで年間約1,170万人の観光客の方々が訪れます。
雪がたくさん降ることから、約50のスキー場が集中をしているスノーリゾートの集積地でもあるため、新幹線の飯山駅は広域観光のいわゆるハブ機能を持たす必要があります。
既に新幹線の駅ができていますが、市街地に駅が出来て、この周辺の地域が駅に上手く繋がるような機能として、駅に入ってくる幹線道路が重要であるほか、新たな交通の結線点となる駅前の交通広場など都市の再生整備をしなければ、この北陸新幹線の飯山駅の機能を十分に発揮することが出来ないと考えております。
駅を拠点に観光エリアとして、どういうようなゾーンを作ろうかということを周辺の9市町村で信州、越後のちょうど中間点に属することから“信越自然郷”という名称を付け、みんなで勉強しようと現在取り組んでおります。
区画整理の状況ですが、整備前は、飯山市の市街地で住宅街等が密集をしているところに新幹線が建設されるため、用地買収方式では難航することが考えられたことから、住民の皆様方と協議を行い、区画整備事業により平成18年から取り組み、7.7ヘクタールのうち、96%進んでおり、家屋の移転については在来線の飯山駅舎を除き全て完了しました。
平均減歩率は18%で、かなり多い減歩率ですが、エリアで約8,000m²の駅前広場をはじめ、幹線道路を生み出しました。土地区画整理の手法により、飯山市のみならず、周辺の市町村を含めた交通のハブ拠点としての整備が達成できたと思います。
この駅は大自然の中にできるため、周囲の自然を上手く取り込んだ新しい植栽景観を生む空間ができ、新しい価値を生むのではないかと思っております。
地方の経済の活性化は、非常に厳しい状況ですが、やはりソフト事業を達成するためには、ハード事業が必要であり、このような新幹線整備といった非常に大きな国家プロジェクトに関連をした事業は、国からの指導、財政的な支援がなければ実現が不可能です。
今後におきましても、国会の先生方、また国土交通省の皆様方に引き続き、ご指導、ご支援のお願いを申し上げまして、私の意見発表とさせていただきます。大変ご清聴、ありがとうございました。

足立 正則 飯山市長による意見発表

都市再開発促進協議会代表

千葉県成田市長 小泉 一成

皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました千葉県成田市長の小泉一成でございます。本日、全国からお集まりの皆様方の前で、こうして意見発表をさせていただくことに感謝を申し上げます。
成田市は、来年市制60周年を迎えます。市制50周年の際に将棋の名人戦を開催し、大変市民の間で好評でした。市制60周年も将棋の名人戦を開催しようと、現在誘致活動をしている中で谷川日本将棋連盟会長さんとお会い出来て、まさに二重の喜びであり、今日、こうした機会を与えていただいたことを改めてお礼申し上げます。
成田市は、都心からは約60キロ、県庁所在地の千葉市からは約20キロで千葉県の北東部に位置しております。
市の中心部には成田山新勝寺という1,000年の歴史を超えるお寺があり、正月三が日は300万人、年間では1,000万人を超える参拝客が訪れます。また成田国際空港は年間3,200万人が利用しており、賑わう市です。
昼間人口率も大変高く千葉県では2番目で平成18年に周辺の2つの町と合併し、人口は約13万人、面積214平方キロメートルとなりました。この面積は千葉県では6番目に広い面積です。
現在、首都圏中央連絡自動車道、北千葉道路も整備中で、今後ますます成田市を発展させなければならないという強い意気込みを持っております。
日本の表玄関である成田国際空港ですが、現在、乗り入れは33か国、3地域、116都市と結ばれており、発着回数は昨年が約21万回、2014年度中には年間発着回数が30万回になる予定です。
昨今、LCC格安航空会社の乗り入れも増え、先月にはピーチ・アビエーションが乗り入れましたが、既にジェットスタージャパン、バニラエアも展開していることから、国内15都市の北は北海道旭川、札幌、南は九州、石垣島まで成田と結ばれており、北海道、沖縄まで安い時では5~6千円で行けます。
ディズニーランドで遊ぼう、スカイツリーを見よう、あるいは東京観光をする場合、LCCを使い成田まで来て、成田空港から都心まで1,000円で運航するバスを利用すれば一番早く、安く、都内及び成田市の観光ができるということになります。
成田の名物と言えば鰻です。古くは印旛沼、あるいは利根川で獲れ、江戸時代から参拝客に鰻を振舞っていたそうです。現在は、京成成田駅とJR成田駅から成田山の正面まで約800メートルの参道に60軒の鰻屋がありますが、約13mに1軒の割合であることになります。
もう一つ、女性職員が中心となり成田の地元産物を使い“成田ソラあんぱん”を開発しましたが、市内のホテル、パン屋で販売するお店が徐々に増えるなど軌道に乗ってきました。機内食に使っていただこうという目標を持っており、女性職員のグループを“成田ソラガール”と命名して頑張っているところです。
続いて、JR成田駅東口第二種の市街地再開発事業を説明させていただきます。計画再開発面積は1.4ヘクタールであり、現在の成田駅前広場は大変混雑しており、タクシー、一般の送り迎えの自動車、路線バス、ホテルの送迎バス、ゴルフ場の送迎バス等で本当に混み合っているところです。
京成成田駅とJR成田駅のアクセスは非常に大変で、両駅を行き来するため道路を渡るには3~4分、朝夕のラッシュ時で5分も待ってしまう状況です。
駅前再開発は、昭和41年に成田国際空港が閣議決定して間もない時から40数年来、計画しては見直しを繰り返し、なかなか実現に至りませんでしたが、やっとここに来て駅前再開発事業が進んできました。
権利者との調整が難航したものの、担当課の職員が昼夜を問わず一生懸命頑張ったことから、再開発に着手することが出来ました。大変だった部分として、鉄道会社は駅前でコンビニを、路線バス会社は駐車場を展開しており、これらは非常に収益が多いほか、駅周辺には、お土産物屋、売店、飲食店等もあったことから、これらの権利関係の調整に非常に苦労しましたが、平成21年9月に都市計画決定をし、平成22年4月に事業計画を告示して事業が開始されました。
事業期間は、平成22年~26年までで、総事業費は約98億円を予定しており、地権者は成田市を含め8人です。再開発ビルは二つの敷地にA棟・B棟の二棟となっており、敷地面積は約5,300平方メートル、ビルの延べ床面積は約31,000平方メートル、A棟のビルの高さは約60m、B棟が30mでB棟は路線バス会社が全て所有します。
一方、A棟は低層部分に商業、業務床を配置し、3~5階は、市が取得する多目的ホールをはじめ、ギャラリーを配置するほか、6~15階まで高層部については、住宅を配置します。
A棟の住宅部分は保留床として売却し、事業費を賄いますが、保留床の処分については都市再開発法に基づき、特定事業参加者を選定し契約が完了していますが、住宅の販売では、募集が殺到し抽選で完売しました。また、テナントの募集も開始しております。
今後、京成成田駅前の約1,600平方メートルについても再開発をやらなければならないという思いでいます。
工事の進捗ですが、概ね5階部分まで鉄骨が組みあがっており、再開発ビルは来年の秋頃に完成する予定であり、ビル完成後に駅前広場の工事を行いますが、現在の広場に比べ面積が倍になることから、混雑緩和が期待されるほか、出来れば成田山に来る観光バス等も停まれるようにして門前町成田、世界に繋がる成田にふさわしい顔にしたいと考えております。
結びにあたり、昨今の自治体の財政事情は厳しいですが、再開発事業等が成功するには、国土交通省、千葉県、関係機関の方々にご理解とご協力をいただき、また多大な補助金をいただくことで再開発事業等の執行が可能となります。この場をお借りして、お礼を申し上げるとともに、お願いを申し上げて、私の意見発表とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

小泉 一成 成田市長による意見発表

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