都市基盤整備事業推進大会

平成27年度 都市基盤整備事業推進大会

意見発表

全国土地区画整理事業推進協議会代表

新潟県新潟市長 篠田 昭

皆さま、こんにちは。ただいまご紹介いただきました新潟市長の篠田昭でございます。都市基盤整備事業推進大会に全国からお集りの皆様の前で、このような意見発表の機会をいただきましたことに深く感謝申し上げます。
新潟市は、東京から北北西に約250キロメートル、上越新幹線で2時間ほどに位置し、北東アジアに向きあう地理的特性と国際空港や国際港湾を擁し、整備された高速道路網や上越新幹線により首都圏と直結する日本海側の拠点都市です。

また、本市は、食糧自給率は63%と政令市No.1であり、また、食産業の拠点としても発展してきました。昨年5月には、「大規模農業改革拠点」として、国家戦略特区に指定され,大規模資本のローソンファーム,セブンファームをはじめとする特例農業法人が設立され,すでに効果が表れています。

本日は、新潟駅付近連続立体交差事業と新バスシステムについてご説明いたします。
本市の市内移動における手段別の分担率を見ますと、その約69%がマイカーに依存しており、バス利用者の減少・運行便数の減少といった負の連鎖にも歯止めがかからず、少子高齢化が進む中、公共交通とまちづくりが一体となった本市にふさわしいコンパクト&ネットワークのまちづくりが求められていました。

持続可能な新バスシステムの実現のためには、①郊外の生活地域における生活交通の確保、②都心アクセスの確保、③都心部での移動円滑化の3本柱が必要であり、まちの賑わいの創出につながるものと考えています。

都心軸におけるBRTの導入と、全市的なバス路線の見直しに取り組み、9月5日に運用を開始することができました。
今は、公が公共交通に投資していく時代であり、本市でも公設民営という考え方を導入し、市と民間バス会社が協定を結び、連節バスの貸与や乗換拠点などの施設整備を市が行い、民間バス会社は向こう5年間は営業距離を減らさないものとしました。
今までのバス路線は郊外から1台のバスが長い距離を走って、まちなかや新潟駅まで入って来るという状況で、新潟駅から市役所に至る本市の都心軸に複数のバスが連なって運行する、非効率なものでした。そこで民間バス会社より「ゾーンバスシステム」による路線再編が有効であるという提案を受け、今回具体的な第1歩を踏み出しました。
乗換の負担軽減については、60分以内に乗換れば従前と同じ料金にする「まち割60」など新たな運賃体系を設定しました。
また、各々のバス停には上家付のバス待ち環境を整備し、電光掲示板によってバス時刻表やバスの接近情報が得られるようにしました。

次に、持続可能な公共交通体系の構築の2つ目の大きな事業が、連続立体交差事業です。
連続立体交差事業の事業効果は、踏切の除却、交通渋滞の解消、鉄道により分断されている市街地を一体化することによる、地域の活性化などが挙げられます。
新潟駅周辺地区は、本市の都心軸の要であるとともに、鉄道と基幹公共交通の結節点であり、北東アジアへの陸の玄関口として、また日本海国土軸の強化のためにもその拠点性の向上は重要です。

次にスケジュールについてです。
平成21年には、駅南広場の整備を実施し、これに隣接する地区では、民間の再開発事業が行われました。
今後は、平成30年度に高架駅が開業し、恒久的施設として国内唯一となる、新幹線・在来線同一ホームが供用開始されます。これにより秋田・山形方面と上越新幹線が直結され、日本海国土軸の強化が期待されます。
平成33年度の高架化完成後、平成34年度には駅直下にBRTなどのバスターミナルを整備し、つづく平成35年度の駅前広場供用開始により、一段の拠点性の向上が図られます。

最後に今後の展開ですが、新バスシステムは、現在の形は第1期としており、第2期として、市民病院やスポーツスタジアムなどの都市機能が集積している、新潟駅を挟んだ南側に区間を延ばしたいと考えています。そして連立事業の完成により、駅直下のバスターミナルである高架下交通広場が整備され、循環形の基幹公共交通軸が形成されると、新潟市をよく知らない観光客の方でも、このバスに乗れば間違いなく新潟駅にたどり着けるなと、利便性の相当高いバス交通が実現できると思っています。

結びにあたり、厳しい財政状況の中、国土交通省をはじめとした、関係機関の皆様のご協力で連立事業の進捗や新バスシステムの構築を進めることができましたことを感謝申し上げます。いずれも市民の期待の大きな本市のまちづくりの骨格をなす事業です。今後事業費の安定的な確保など、格段のご配慮を賜りますようお願い申し上げまして、私の意見発表とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

篠田 昭 新潟県新潟市長による意見発表

都市再開発促進協議会代表

愛知県豊田市長 太田稔彦

皆さん、こんにちは。ただ今、ご紹介をいただきました愛知県豊田市長の太田稔彦でございます。
本日は、「都市基盤整備事業推進大会」におきまして、当市の再開発事業について、このような発表の機会をいただきましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。
現在、豊田市では、都心の賑わい創出を目的に、人を中心とした安全・安心・快適な回遊と、水と緑の一体的な活用による魅力的な都心づくりを目指した「(仮称)都心環境計画」の策定を行っております。今回、その再開発の取り組みについて「未来に誇れる豊田の都心の実現に向けて」と題して発表させていただきます。

まず、豊田市の概要について説明させていただきます。
豊田市は愛知県のほぼ中央に位置し、人口は約42万2千人、面積約918平方キロメートルと、愛知県全体の17.8%を占めるまちです。
全国有数の製造品出荷額を誇る「クルマのまち」として知られ、世界をリードするものづくり中枢都市としての顔を持つ一方、市域のおよそ7割を占める豊かな森林、市域を貫く矢作川、季節の野菜や果物を実らせる田園が広がる、恵み多き緑のまちとしての顔を併せ持っています。

道路交通についても市内には東名・新東名・東海環状の3つの高速道路と、7つのインターチェンジを有し、8つ目となる上郷スマートインターを平成28年度の供用開始を目指し整備しています。また新東名高速道路の豊田市―浜松市間は、今年度中の開通が予定されるなど、道路網の充実が進んできています。

また、本市は平成21年1月に、『環境モデル都市』として国から選定されました。
「ミライのフツー目指そう」をテーマに、無理なく無駄のない低炭素な暮らしができるとともに、環境産業が展開される環境先進都市を目指した取組みの見える化として、とよたエコフルタウンを整備しました。
とよたエコフルタウンは、都市部から中山間地、山間地と広がる本市の特徴をコンパクトに表現し、地域特性に合った低炭素な暮らしを提案しています。
また、暮らし、交通、産業など様々な分野の最先端技術と世界に先駆けた快適な炭素社会を体験できます。
とよたエコフルタウンを中心に、本市が目指す低炭素社会の取組みをますます広げ、まちづくりにも活かしていきます。

次に本市で現在進めている豊田市駅前通り北地区の再開発事業を紹介します。
この再開発事業では、本市の拠点駅である名鉄豊田市駅から東・豊田スタジアム方面へと至る駅前通りなど重要路線の拡幅整備を一体的に行うものであり、平成29年のビル完成を目指し、今年3月に工事着手したところです。

再開発ビルは、3棟で構成しています。
商業・業務棟には、中心市街地に足りない施設・時間消費型アミューズメント施設である『シネマコンプレックス』を誘致します。
高齢者施設棟は、これからの高齢社会を見据えた『高齢者福祉施設』を、住宅棟は、まちなか居住を促進する『マンション』を整備します。
そしてビル足元の1・2階には商業施設を配し、これらが一体となってまちの賑わいを創出していきたいと考えています。
また環境への取組みとしては、事業化としては国内初となる下水熱利用給湯システムを、高齢者福祉施設へ導入する計画です。

本市中心市街地・都心については、これまで、施行中の駅前通り北地区を含め5つの市街地再開発事業など様々な都市基盤の整備を行い、着実に都市機能の集積・強化を図ってきました。
しかし「賑わいや魅力の不足」「来街頻度の減少」などとともに、近隣市町への大規模商業施設の新規出店計画が進み、商業環境は厳しさを増しております。また、国際的な視点からのまちづくりなど多くの課題があります。
本市の長年の懸案である豊田市駅前広場の拡張につきましては、北地区再開発に引続き、整備を進めていきたいと考えております。
駅舎と北地区を含む4つの再開発ビルに囲まれる駅前広場には、屋根を整備し、天候に左右されず、市民団体や子供等の多様な活動等による空間利用や各種イベントによる新たな賑わい創出していきます。
さらに、帰宅困難者等多様な人が集まる場所として、安全・安心にも配慮した空間を目指し、「再整備」と「活用」を両輪とした事業展開を行っていきます。
最終目標年次は、リニア中央新幹線の開業が予定されている平成39年度としていますが、現在施行中の北地区再開発のオープンやラグビーワールドカップ2019日本大会などを中間目標としながら、「ミライ」の都心の実現に向け取組んでいきます。

結びに当たり、昨今の地方自治体の財政事情は非常に厳しい状況です。
しかしながら、都市の低炭素化、コンパクトシティ促進には、再開発事業などまちづくり事業の成功が鍵となります。
国土交通省をはじめ関係機関の方々にはご理解をいただき、更なるご支援のお願いを申し上げまして、私の発表とさせていただきます。
ご静聴ありがとうございました。

太田 稔彦 豊田市長による意見発表

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