都市基盤整備事業推進大会

平成22年度 都市基盤整備事業推進大会

意見発表

区画整理代表

愛知県豊田市 鈴木公平市長

ご紹介いただきました鈴木でございます。8分という時間をいただきました。いささか短こうございますので、簡潔に発表させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

このスライドに「ハイブリットシティとよた」としておりますけれども、これはちょっと別に奇をてらったわけではありませんので、まずご説明を申し上げておきたいと思います。

昨年、当市は環境モデル都市の選定を政府から受けました。ハイブリットというのは様々な技術の融合という意味だというふうに踏まえまして、現在、環境に関する先端技術を融合させた環境先進都市を目指そうという取り組みをスタートしておりますので、至る所でこういうロゴを使わせて頂いておりますので、ご承知いただきたいと思います。

本日は都市基盤整備事業推進大会におきましてこのような場をお与えいただきましたことに心から御礼を申し上げたいと思います。

はじめに当市のご紹介をさせていただきたいと思います。愛知県の真ん中あたりに当市がございます。北、東といいますか山間地域といいますか、中山間地域と思っていただければいいと思いますが、平成の大合併で6町村が合併いたしまして愛知県面積のおよそ20%が当市の区域となっております。

人口は42万人を少し越えたところでございます。自動車産業の街でございまして、農業その他も盛んに取り組んでおります。

このリーマンショック以来の不況ということがございまして、まだわが国の経済も厳しい状況にございますけれども、当市はトヨタ自動車の本社所在地でございますので、トヨタショックという報道が随分とされましたが、相当厳しい状況を受けるということになりました。市民生活におきましても様々な影響がでましたので昨年から商工会議所その他経済団体と一緒になりましてこの「We Love とよた」というロゴを作りまして市民ぐるみで活性化を目指そう、元気を出そうという取り組みをしております。

ビックサイトあたりでも参加を求められましていろんな売込みもさせていただいたわけでございます。

それでは本題に入りたいと思いますが、豊田市におきます土地区画整理事業についてご報告をさせていただきたいと思います。

まず、豊田市の区画整理事業のスタートは昭和31年、あまり古いわけではございません。ですが、新市街地や既成市街地の取り組みということで積極的に取り組んでまいりました。現在までに25地区で事業を実施いたしまして施行中の5地区を合わせると市街化区域の約22%が整備されているという状況でございます。

1938年、先程、トヨタ自動車の本社所在地と言いましたけれども、立地をいたしました。そして特に1960年代、モータリゼーションということがございましたけれども、当初、積極的に工場の誘致を行いましてそれに伴って人口が急増した街でございます。

自動車産業につきましては非常に裾野の広い製造業でございますので関連する様々な企業が立地をいたしました。それによりましてその社員と家族が多く移り住んだというのが1960年代の大きな変化でございました。人口増加によりまして新市街地型の区画整理事業を行うことによって宅地事情に対応してきたという経緯がございます。

現在、合併も進めてきたということもありますが分散した市街地を抱える都市ということになりました。したがってそれぞれの地域の拠点に都市機能や生活機能の集積、集約を図るということを基本にした多核ネットワーク型都市構造を目指すという事業を行っております。鉄道や基幹バスなどの基幹交通でネットワークすることによりまして来たるべき高齢化社会の到来、環境負荷低減といった観点からも市民が安全・安心に自立した生活ができる都市構造に転換していこうというふうに考えて取り組んでおります。

その中心が鉄道駅でございますけれども、この鉄道駅周辺を都市拠点ということで事業を進めておりまして、現在、この鉄道駅中心におきましては5地区で区画整理事業をおこなっているということでございます。

私どもの街では鉄道が2路線しかないというか、2路線ございましてこのような鉄道駅周辺におきましては、先程言いましたように5地区での事業を進めているわけですが、若林地区、四郷地区などの計画地区も含めた10地区、約294ヘクタールにおいて約8400戸の宅地供給を行い、定住促進を図っていこうということを目指して取り組んでおります。

区画整理事業による都市基盤整備の取り組みが私どもが最も効果的であり、大変重要な事業であると位置づけておるところでございます。

環境モデル都市としての取り組みについて区画整理事業との関わりについてご報告と、ご紹介をさせていただきたいと思います。

豊田市は平成21年1月に環境モデル都市に認定されました。CO2排出量などの大幅削減などの目標を掲げて街づくりに取り組んでおりますが、特に今年度、次世代エネルギー社会システム実証ということで経済産業省から選定をされましたスマートグリット事業に取り組んでおりますがそうした地方型の低炭素社会システムの構築を目指しまして様々な取り組みを既にスタートさせております。

こうした課題から得られる知見や課題を踏まえまして今後、市街地におきましては環境に配慮した区画整理を推進していくことが大変重要だというふうに考えておるわけでございます。

区画整理事業につきましては施行区域内で同時期に多くの建物の新築、建て替えが行われます。区画整理の特性を活かしまして地区、街区単位での自然エネルギーの集団利用を行うことで、市街地でのCO2削減が可能になる、というふうに考えておりまして、これがスマートグリットコミュニティ版の考え方でございます。

これからの区画整理の推進におきましてはCO2削減対策が不可欠というふうに思っておりまして今後は環境に配慮した区画整理の実現を是非とも図っていきたいというふうに考えております。

合併による都市構造におきまして少子化、高齢化の進行、或いは地球温暖化への対応など、当市を取り巻く社会情勢は大きく変化しております。この変化に迅速に対応してまいりますために区画整理をはじめとする都市基盤整備が不可欠であるということでございます。

そのように認識をして街づくりを進めております。

一昨年来の世界的な経済危機は豊田市の地域経済、市民生活に大変大きな影響を及ぼしております。都市計画を取り巻く環境は依然として厳しいものがありますけれども市街地整備をはじめとする様々な分野での財源確保が実は大変大きな課題になっております。

今後も地方における都市基盤整備事業が円滑に推進されるように本日、ご参集の皆様の引き続きのご支援、ご協力をお願い申し上げまして豊田市の意見発表とさせていただきます。

以上でございます。ありがとうございました。

鈴木公平 豊田市長による意見発表

再開発代表

茨城県ひたちなか市 本間源基市長

ご紹介いただきました茨城県ひたちなか市の本間でございます。

8分という限られた時間でありますので,我が市の駅前の再開発事業につきまして、その特徴点等を中心に報告をさせていただき、また皆様方の参考になればとこのように思っております。

まず、ひたちなか市の位置といいますか場所について簡単にご説明を申し上げたいと思います。JR常磐線で上野から約70分,東京から110キロというところでありまして、原子力の発祥の地の東海村と水戸市に挟まれているところであります。

主な産業は名前から想像いただけるかもしれませんけれども、日立製作所の事業所群があります。そして平成6年の11月に旧勝田市と那珂湊市が合併をいたしまして、ひたちなか市になっております。

今日は再開発の発表ということでございますが、実は区画整理事業も33箇所すでに完了しておりまして、今現在10箇所、工事は9箇所実施しているということで、実はそちらの方でも課題、悩みがあるわけでございます。

駅前再開発について短期間に見直しをし、UR都市機構の協力を得ながら、かなり規模を縮小しながら身の丈に合った民間事業の方にも参加していただく、そういった事業になったということで、ご紹介をさせていただくことになったわけでございます。

ひたちなか市の目指すべき都市像といいますのは、「豊かな産業といきいきとした暮らしが広がる世界とふれあう自立協働都市」と、少し欲張ったものになっておりますが、港があり世界との海外航路もあります。また自立協働ということにつきましては,財政的には20年度21年度と一応、不交付団体にはなりましたが、22年度に再度この不景気により交付団体になっておりますが、財政的な自立を目指すと、それから市民の力を借りながら街づくりをやるということで自立協働都市というものを標榜しております。

ひたちなか市の大きな特徴の一つにひたちなか地区開発というのがあります。これは勝田駅を降りまして、東に向かって真っ直ぐな道路が約5キロ走っておりますけれども、海岸に突き当たりますとそこにひたちなか地区があります。

昭和48年の3月に日本政府から水戸射爆撃場の返還を受けまして活用しております。面積が1182ヘクタールということであります。まだまだ建設途中でありますが、常陸那珂港、今は日立港と大洗港を併せて茨城港としておりますが、常陸那珂港があります。

合わせて定期航路が9本あります。

最近、関東地区の方に訪れていただいておりますが、国営ひたち海浜公園、これは春の水仙からチューリップ、ネモヒラ、コキアということでですね、年間150万人、一時期は80万人位にお客さんが減ったのでございますが、最近は非常にお客さんが増えております。そういった国営公園があります。

また、若者には有名でありますが、ロック・イン・ジャパンというロックフェスティバルがここで開かれております。3日間で16万人の若者が集うということで勝田駅の利用も大変多いわけであります。

また、近年ですね、この港を活用するということで大型の建機メーカーが相次いで進出をしております。コマツさん、日立建機さんがですね、臨港工場という形で進出をしていただいています。

来年のGW前には北関東自動車道が全線開通するということもありまして、物流面でも観光面でもしっかりとこの潜在的な可能性を活かしていきたいなと思っております。

事業の展開になっております勝田駅でございますけれども、ひたちなか地区への玄関口というような位置づけもあります。JR勝田駅は一日約2万4千人の乗降客ということで特急は30分に1本、全て勝田駅は停車をするというような駅でございます。この相応しい玄関口といいますか駅舎は既に橋上化されて整備されたわけでありますが、駅広整備が非常に立ち遅れていたということもありまして、整備をすることになりました。

勝田駅の東口の現状でありますが、私どもの街は基本的にまだまだマイカーの地域でありまして、朝夕特に高校生、それから旦那さんを駅に送ってくる、そういうパターンが非常に多いわけでありまして、特に雨の降った朝夕は大変な混雑になっております。そういったことを一刻も早く解消したいということもあります。また、勝田駅はですね、湊線といいましてひたちなか海浜鉄道が一時廃線の危機に陥ったわけでありますけれども,3セクで再建て直しをいたしました。乗降客も増えておりますが、それも接続する駅になっております。

まず最初に、この勝田駅前の再開発の計画でありますが、平成6年の3月に都市計画決定を1度しております。総事業費が約260億、延床面積63,000haの典型的な再開発のビルといいますか、これを計画いたしました。しかし平成6年の時点でも既に社会情勢、経済状況が大きく変わってきたと思いますが、とてもこれだけのものは支えきれない、できない、という判断の下にですね、暫く事業が棚上げになったといいますか休止状態になっておりました。

駅北側の部分だけを今回施行地区に見直しました。除外した部分は、民間でホテルをやっておられる方が3件ありました。なかなか今の状況からいっても再開発自体が難しいというような地域でござました。従いまして事業規模、区域等見直しをしたところでございます。

具体的な事業規模、区域の見直しについては面積2.6haを1.5ha、全体的な事業費260億を66億円。市の負担を92億から24億というようなことであります。

特にですね、民間誘導ということに関しましては、今回特建者、特参者により、いわゆる民間が取得するという手法をとりました。従いまして今回ですね、この計画区域の中にはマンションとホテルがあります。それぞれ民間ベースで採算に合う計画にしていただいて事業を、公募いたしましたけれども、応募していただいて、今事業を着手したところであります。

民間活力の住宅棟と宿泊棟で、住宅棟の下の部分には商業施設、それから市民が憩える市民ホール的なものを、いわゆる公益施設を計画しているところであります。いずれにしても特定建築者制度を活用しながらホテル等についてはですね、特定事業参加者制度でやっております。

しばらく事業を休止していたということもありまして、市役所の体制、職員の体制もこれも未来永劫にやる事業でありませんので、やはり市の職員だけでやるのは限界があるだろうということで今回UR都市機構の全面的な御協力をいただきながら公的な部分、いろんな調整については行政がやりますが、地元対応とか色々なコーディネートについてはUR都市機構と共同でやるということでありまして全体10名の体制でやっております。

今後のスケジュールということになりますが、ほぼ完成形に近い、間近になってきているところでございますけども、平成19年4月に都市計画の変更決定をして一気に国の採択の補助もいただいて、非常に恵まれたときに事業採択をしていただいたと思っております。

つい先日、ホテル棟の着工、起工式をやったわけではありますが、24年3月の事業完了を目指しています。

駅前広場を確保することが第一の目的。中心市街地の活性化に影響するための2つの建物を造るということであります。短時間で一気に実は見直しをしまして、体制もUR都市機構の協力を得ながらやる。そしてまた民間の資金を導入してやるってことで、ある意味では非常に恵まれた、経済的に非常に厳しい状況の中でありましたけれども、いろんなものに恵まれて、短期に終結できるのではないかというような、私どもよかったのではないかと思っている点であります。

どれだけ参考になったかはわかりませんけれども、色々今後ともですね、いろんな制度、設計の問題、そして資金の問題、ご提案をいただきながら大会でもっていろいろご理解やですね、ご指導をいただきながらしっかりとやって参りたいと思います。

ちょっと駆け足のご説明になりましたことをお詫び申し上げまして発表を終わらせていただきたいと思います。

本間源基 ひたちなか市長による意見発表

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